恋のかけ引き♪
2年目の若い営業の男 小太郎
色々、まったく上手くいってません。上司もフォローは入れているのですが、あかんのですよねぇ・・
少し諦めモードも漂いはじめていました。
6月に小太郎の上司に、「俺から少し話してええか?」と断りを入れてからKを呼び出し面談をしました。
色んな話をしました。物理的にしばきはしませんよ。
おまえの実績はボロボロ過ぎ。
会社ってどうやって成り立っているかの理屈。
数字があかんのは別にええ。
新規行くと言うてるけど、ほんまに行ってるか?
日報少し確認した。全部嘘とは言わへんけど、全部ほんまでもないやろ?
120%でずっと走れとは言わん。でも走ること自体に嘘を重ねて放棄したら、いずれおまえはどこでやっても詰んでまうやつになる。
おまえが自由に動けるんは、社内のアシスタント、出荷作業してくれる人、配送の人など色んなやつ助けがあって自由に動けるんや。
少なくとも、その助けを返そうと努力するんは必要やよ。(みんな仕事や言うたらそれまでなんですけどね)
必死こけや、めんどくせぇ。
でもな、必死こいても、おまえなんか絶対あかんわ。
だって、今までやってきてへんもん。
出来るわけあらへん。
で、ボロボロになんねん。へこめ。
(キツイですよね・・言うてる自分も辛いです)
でもな、そこからやねん。
そこからどないしたらええか考えるんよ。
これがスタートや。
まずその土俵に乗らんと始まらんわ。
やってへんから、そもそもおまえ自身でどうやったらええかすら分からんはずでなんよ。
だから相談にもならんし手助けのしようがないべ?
分かるか?
おまえが本気で取り組みたいいうんやったら、付き合うけどどうする?
『やりたいです。お願いします。』
まじやぞ?
『お願いします。』
わかった。月、水、金 昼から一緒に動けるか?
『動けます。』
(まじか・・どんなけ時間あまってんねん。。汗)
(俺が死ぬ・・しゃーないな。。言うてもうたし、腹くくるか。。)
わかった。半年な。年末までや。
あぁ、先に言うとく。俺とおまえでは年齢も経験値も違う。
やり方もスタイルも雰囲気も違う。
だから、おまえのやり方が間違ってて、俺が正しいなんてことはない。
俺のやり方なり、言い回しなんか真似せんでええ。
気づいたことや思ったことは全部伝える。
自分なりに上手くいったことを相手によってアレンジしたり、俺の上手くいったところ参考にしながら自分に置き換えて吸収したり、いろいろ考えて自分のもんにしていけ。
準備せぇ。
貸しやぞ。高いぞ。いつか返せ。
車で移動中にも色々。
~~株式会社●●の小太郎でございます。弊社は・・・~~
なぁなぁ・・
おまえ緊張はええけど、全体的に硬いわ。
『硬いですか?そんなつもりは無いんですけど・・』
相手にもよるし、雰囲気によっても変わらなあかんけど、なんか面白味がないねん。
女を1対1の差しで口説いてると思え。
行儀よくやってて好きになってもらえるんやったらええけど、おまえ顔も喋りも並みやん?顔も喋りも並みやん?無理やろ。
『なんで2回言うんですか』
うっせぇ。
1回こっきりやったら飾っててもええけど、長く付き合ってもらいたいんやから、ある程度は地を出さないと、相手はおまえがわからん。
うちは商社やん?客からすれば、同じものをどこからでも購入できるわけやで。(いろんな背景、事象は無視)
価格がどこよりも安くできるんか?できたとして、そうであれば受注になるんか?
価格も大事やよ。でもそれは2の次や。んなもん後からでもどうにでもなる。
ほな、どないしたらええねん。
付き合いたいという思いを伝えるんよ。
具体的やなくてもええ。抽象的でもええねん。うちのええとこなり、他社との差別化できてるとこのアピールもするべきことやけど、それでだけでは響かないことが多いわな。
相手がおまえってどういう人?顔と喋りは並みやけど、少し気になる・・・
これや。ほれ、恋の始まりやんけ。
新規も女も一緒やろ。ほぼニアイコールや。
彼氏がおってラブラブであんたには興味ありません言われたら、他の女に行けばええだけや。
よっぽど、下手打っても死にはせん。
『女・・死ぬ・・・恋・・仕事の話とは思えない・・(笑)』
おい小太郎・・
おまえ家で親とかに俺と話してる内容とか言うなや。
やばい会社やと思われる。
『はい・・・(笑)』
次、飛び込んだところで、いきなり、やっほぉ!って言え(笑)
インパクトはあるぞ(笑)
えっ!?って振り向かれたら、おまえの得意な弊社は・・・をやれよ(笑)
『いやです(笑)』
しばくぞ。
*自分が伝えてることなり、伝え方なり、合っている、問題がないとは思ってません。古いやろなと思います。でも、いまでも大事なことではあると思っています。
とりあえず、明るくなって、前向きになって行動するようになってきていました。
2か月結果がでていませんでしたが、彼が単独で訪問した先で、引き合いをもらい、このたび35万ほど受注までこぎつけました。
金額やないんです。1万でもええんです。そこまで持って行けたことが、やばいくらい嬉しかったです。
社内のみんなもおめでとうと労ってくれていて、本人も嬉しそうでした。
本人がありがとうございますと言う前に、俺がありがとぉぉーーーと言ってやりました(笑)
みな大笑い。
ひとまずスタートの土俵に立てた彼にバンザイ。